その4 電車で本を読む

 

面白い本を読んでいる時って、時空が歪んであっという間に数時間が経過しますね。電車の移動時間は誠に読書にとってはまさに珠玉。

最近では電車内で本読んでいる人も、ジャンプマガジン読んでいる人も少なくて、ひたすらスマホを凝視している人ばかりになりました。

今では小説も漫画もスマホで読めるので、もしかしたら同好の士もいるのかもしれませんが判別不可能になりました。

そんな中で社内で本読んでいる人を見つけると、何読んでいるのか気になって本に集中出来なくなることしばしば。そっと寄って行って何読んでいるかさりげなく確認したくなります。

皆さんどうなんでしょうそんな事思わないのでしょうか。僕は本読んでいるのを見るだけで仲間意識が芽生えて、ドラクエだったら絶対パーティーに加わらないかと声かけている所であります。

前に覗き込んだら宮部みゆきの「蒲生邸事件」だったことが有って、声掛けるか掛けないか本気で悩んだ事が有ります。意気地無しなので結局声掛けませんでしたが、掛けたら完全に不審人物だよなあ。

その3 野田知佑という男

 

僕の人生に一番影響を与えた人は野田知佑。

頭カチカチの人達が蔓延る高度成長期に青年期を迎えた野田知佑は、社会通念の枠に捉えられもがく様に生きていました。しかしツーリングカヌーと出会う事によって、旅とカヌーを結び付け流れて帰らぬさすらいの旅人として生まれ変わりました。会社を辞めて好きな自然との遊びだけをして生きていくと決めたのでありました。カヌーで川をくだり、魚を釣って焼いて食い、酒をくいっと煽って船上でハーモニカを吹く。川っぺりのおばあちゃんの肩を揉み、時には女の子をカヌーに乗せてやったり。

特にアラスカの原野に流れるユーコン川でのひりひりするような孤独で自由な風景には、不自由極まりない青春を送っていた青年雄一にはまさに目に毒でありました。

味気ない結婚時代に心を慰める術はギターと野田知佑の本でした。夜孤独に耐えられくなると飛び起きて無作為にページをめくって心を慰めていたのであります。

そして雄一がありんこゆういちになる3年前。離婚をし会社を辞めて、自転車で埼玉から沖縄まで旅に出たのであります。まさしくこれは野田氏の影響以外の何物でもありません。僕のようなめんどくさがりの人間にも影響を与えるこの人の本はまさに危険物です。野田知佑という男と出会えたことは、僕の人生の宝であります。

 

その2 本の装丁の好み

 

本自体の中身とは特別関わりは無いのですが、誰でも何となくこの出版社好きだなという贔屓が有ると思います。

僕はてかてかした想定より、なんとなくザラりとした風合いが好きなので、一番偏愛しているのは新潮文庫であります。

あの表紙の風合いは手に持っている時に一番しっくりくるし、ページの紙も同じくなんとなくクリーム色でざらっとしていて触っていてホッとします。

何より栞が付いているのが大きいですね。あのひと手間は結構大変だと思うのですがなんとか続けて行ってほしいものです。

ちなみに音楽の世界ではジャケ買いというものが有って、中身を想像しながら勘で買う事が良く有りました。今ではYOUTUBEで確認したりできるので、大外れを引く事は無くなったことで有りましょう。うらやましいかは別ですが。

本でも表紙買いをする事がありますが、その場合は装丁と題名が判断材料の大きな部分を占めます。

僕の場合は前述の事以外では色合いとイラストでしょうか。色合いはまず原色はほぼ排除。暖色系の色合いで出来れば茶色や緑系。イラストは漫画チックなものはNG。特に昨今の萌え系の絵が書いてあると高確率で買いません。近未来的なイラストや、人物写真のものも避ける傾向に有ります。

ちなみに最近好きなのはポプラ文庫と創元社です。好きではないのは角川文庫。中身では無くあくまで装丁の話しであります。

 

その1 栗本薫「グイン・サーガ」シリーズ

 

知る人ぞ知る世界一長い物語なのですが、とうとう作者が無くなってしまい未完となってしまいました。その後複数の作家さんで正伝が書き始められるという驚天動地な事が起こっております。まだ読んでいないのですが未完だと今後誰も読まなくなりそうなので、どうあれ完結させるのはいい事かなと個人的には思っています。

 

話しの内容としては、架空の世界いある日突然言葉を喋れず、全ての記憶を失った「グイン」という豹頭の大男が出現します。森で彼を発見したのは国を追われ逃げ惑う文明国の双子の姉弟。色々な困難を切り抜けるうちに絆が産まれ、その絆がやがて世界の歴史を塗り替える契機となるという壮大な物語であります。

とにかくこのグイン、パーフェクトヒューマン(ヒューマンかは分かりませんが)で、闘えばまさに鬼神、頭もバツグンにキレキレであらゆる困難を知略で切り抜け、その見た目に関わらず人々の心を掴みまさに生まれながらの王者という状態です。

この話が面白い所は、主人公のグインよりも周りの人間ドラマの方が面白く、読む人により肩入れするキャラクターが千差万別で、それを語り合うだけで夜が明ける位に作り込まれているという事なのです。

その作り込まれ国や習俗、食べ物までも作り込まれているがゆえに話が全く進まず、100巻で終わる予定が100巻で半分も進んでいないという状態でありました。

とても書くのが早い人だったのですが、後半からはかなりの乱筆となり辻褄が崩壊して読んでいるのが辛いような状態になりました。もう終わらせる気無いだろう?と突っ込み入れたくなることもしばしば。

それでも偏愛していた僕は何とか長生きして完結させてもらえる事を願っていたのですが・・・。

 

 

【ごあいさつ】

 

細々と埼玉で活動しております。

出不精ではありますが、呼ばれれば色々邪魔したいなとじわじわ思っておりますので、奇特な方いらっしゃいましたらお誘いのメールなどお願いします。

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